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2026年03月19日

元銀行員が解説する「銀行でNISAは損なのか?」

「NISAを銀行で利用すると手数料が高くて損しますか?」という質問をいただくことがあります。

結論として、銀行だから必ず損をするとは限りません。

近年は楽天証券やSBI証券などのネット証券を選ぶ方が増えていますが、考え方によっては銀行を選ぶメリットもあります。そこでネット証券でのNISA、銀行でのNISAの違いを整理してみました。

ネット証券と銀行のNISAの主な違い

NISAの制度自体はもちろん共通です。NISA枠内で保有している投資信託などで得た利益を受取る際に発生する20.315%の税金が非課税になります。

一方で、取り扱っている投資信託の種類や手数料のかかり方、サポート体制に違いがあります。

① 銀行では株式・ETFの取り扱いがない

NISAが利用できる金融商品は、NISAを開設した金融機関が取り扱う投資信託・株式・ETF(上場投資信託)などが対象です。
銀行は投資信託が中心で、株式やETF(上場投資信託)の取り扱いは基本的にありません。
少なくともNISAの成長投資枠で株式やETFでの資産運用を希望する場合は、銀行での開設は適していません。投資信託のみの場合は銀行でも問題ありません。

 

② 商品ラインナップの幅

世の中に投資信託の銘柄は約6,000本あり、ネット証券は多数取り扱う一方、銀行は取り扱いを絞っていることが一般的です。
そのため、同種のファンドを信託報酬(運用管理費)などの費用面で比較しながら選びたい方は、ネット証券の方が比較しやすいです。銀行ではある程度まで整理された中から選ぶ形になります。

 

③ 手数料が発生するケース

ネット証券でも銀行でも、NISAの制度を利用すること自体に手数料が発生することはありません。また、信託報酬(運用管理費)については投資信託で運用する以上、どちらでも発生する費用です。しかし、加えて銀行では投資信託をまとまった資金で一括購入する際に購入時手数料が発生するケースが多いです。
銀行では、投資信託をまとまった資金で一括購入する際に、2.2%〜3.3%程の購入時手数料が設定されている投資信託が多数あります。この点が「銀行だと手数料が高い」と言われる一番のポイントです。
ネット証券でも、一部に購入時手数料がかかる商品も存在しますが、ほとんどは手数料なしです。
一方、つみたて投資枠では、どの金融機関でもノーロード(購入時手数料なし)の投資信託しか積立設定ができないルールとなっています。
そのため、銀行でNISAのつみたて投資枠のみを利用されている方は、ネット証券と同じく基本的な費用は信託報酬(運用管理費)のみとなります。

 

④ クレジットカードの使用可否

積立を設定する場合、銀行ではその銀行での口座振替が基本です。
一方で、ネット証券は金融機関によってクレジットカードでの積立が使用可能な場合があり、ポイント還元を活用できることがあります。

 

⑤ セキュリティ面

ネット証券では、これまでに不正ログインやサイバー攻撃による口座乗っ取り被害が報じられたことがあります。
銀行でもインターネットバンキングの不正利用の被害はあり、オンライン金融サービス全体でセキュリティ強化が進められている状況です。
現在は、二段階認証、生体認証などが金融機関で導入され、以前より安全性は高まっていますが、「インターネットでの操作には不安がある」「対面で確認しながら進めたい」という方は、窓口で相談できる銀行のほうが安心と感じる場合もあります。

 

銀行でNISAを開設するメリット

銀行の強みは対面でのサポートです。

      • 開設手続きを窓口で案内してもらえる
      • 考え方に合った投資信託を提案してもらえる
      • 定期的なアフターフォローと、市場下落時などにもフォローの連絡体制がある

一方で、ネット証券は口座開設から商品選び、積立設定、売却判断まで自分で進めることになります。
「自分ひとりで始めるのは不安」「操作や銘柄選定を補助してほしい」という方は、銀行のサポートを優先する選択も合理的です。

前述のとおり、銀行でも「つみたて投資枠」のみであれば、購入時手数料が掛からず費用面に大きな差は出ないため、安心感を重視する方に向いています。まとまった資金での運用でも、相談できる環境に価値を感じる方は銀行を選ぶメリットがあります。手数料に見合ったサポートを受けられます。

 

まとめ

ネット証券は、自身で商品の選択・運用管理をしたい方にとっては、商品ラインナップや手数料面で優位性があります。

しかし、開設手続きや運用中のサポート面では各々の考え方によっては銀行にも優位性があります。

「銀行ではなく、ネット証券でないと損をする!」という情報をよく目にしますが、手数料面だけではなく、自身の運用方針・資産運用に対する考え方に応じて、安心して利用できる金融機関を選びましょう。